
- 地方公務員法違反になるんじゃないの?
- 副業の許可がおりることってあるの?
- 違反した場合、罰せられるの?
地方公務員や警察官は、原則として副業禁止です。
無許可でやれば、『地方公務員法違反』になります。
※国家公務員は国家公務員法違反です。
でも、
許可を受ければ法律違反ではありません。
基準内であれば、許可されます。
すべてが地方公務員法違反という訳ではないんです。
また、そもそも
副業と言えない範囲内であれば、許可を受ける必要もありません。

- こんにちは!もーやんmowyanです。
警察官在職30年以上の元刑事です。 - ブログ運営と不動産賃貸業をやっています。
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ブログ運営や不動産賃貸業について、
法律違反になるのかを深堀りします。
😊この記事で解決できるお悩み
- どんな場合に法律違反になるのかがわかる
- 許可される基準がわかる
- 副業経験でスキルアップした自分に出会える~自己の充実
公務員も副業が必要な時代です。
副業をすることで、人間としてスキルアップに繋がり、公務にも良い影響を与えます。
外の世界を知ることは大切です。
地方公務員の副業禁止規程とは

地方公務員の副業は法律違反なのか

許可を受けているかどうかがポイントになります
副業禁止の法的根拠について
職務に専念する義務
(職務に専念する義務)
地方公務員法 第35条
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
公務員は、職務の遂行に当たっては全力を挙げてこれに専念しなければならず、この義務は公務員にとって、もっとも基本的な義務です。
この基本的義務が十分遂行されるように、職員の行動については勤務時間の内外を問わず制限する必要があるとされています。
営利企業等の従事制限
(営利企業等の従事制限)
地方公務員法 第38条第1項
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
任命権者の許可を受けなければ、自ら営利企業を営んではならないと定められています。

許可を受けていれば、
地公法違反にはなりません❕
任命権者とは(一例)
任命権者 | |
---|---|
県庁職員 | 県知事 |
警視庁警察官 | 警視総監 |
道府県警察官 | 道府県警察本部長 |
市町村職員 | 市町村長 |
市町村消防職員 | 市町村消防長 |
副業が許可される基準

副業許可の根拠
地方公務員法 第38条第2項
人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。
副業を許可する場合の基準については、各自治体の人事委員会で決めます。
各自治体の許可基準
許可基準については、各自治体の人事委員会規則で決まっています。
各都道府県・市町村によって基準は違いますが、おおむねどこも同じような規則になっています。

副業が許可される場合の基準について、具体例を見ていきましょう。
徳島県の例
徳島県人事委員会規則 によると、次の3つの基準を定めています。
許可基準のまとめ
副業許可基準を定めた各地方公共団体の人事委員会規則については、おおむね次の3点でまとめることができます。
この基準3点をクリアすれば、副業が許可されます。
各自治体によって違いがありますので、自分の都道府県等の人事委員会規則を確認してください。
副業ではなく、仕事を辞めて、転職を考えている人は、こちらの記事をご覧ください。
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>>警察官・公務員からの転職は難しい?
不動産投資・ブログ運営は『副業』にあたるのか?

不動産賃貸業やブログ運営について、副業禁止規程に抵触し法律違反になるのでしょうか?
不動産賃貸業の場合
国の基準
- 戸建て住宅5棟以上
- ハイツなら10室以上
- 賃貸料収入が年500万円以上
国家公務員の不動産賃貸業に関する基準は、人事院規則14―8で、明確に定められています。
この基準を超えると、『自ら営利企業を営む場合』に該当するため、許可が必要となります。
逆に、戸建て住宅5棟未満、マンション10室未満なら、地方公務員法第38条第1項にいう「自ら営利を目的とする私企業を営み」には該当せず、許可申請が不要で、
地公法違反には当たらないということです。
地方公務員の場合
地方公務員については、明確な基準が決まっていない自治体が多いです。
- 明確な基準が通知されている自治体 ≫岡山県公式ページ
→ 戸建て住宅5棟未満なら許可申請は不要 - 明確な基準が示されていない自治体
→ 1棟でも許可申請が必要
基準が決まっている自治体でも、国の基準に準じています。
人事院規則の基準以下の規模であれば、許可申請をするほどの副業にはあたらないというのが一般的な見解です。
ブログ運営の場合
執筆活動
執筆活動は、営利目的というよりは「表現」や「趣味」の活動であり、公務員法による規制の対象外とみなされることが多いです。
もちろん、守秘義務違反や信用失墜にあたる場合は、ダメです。
ブログ運営
ブログ運営といっても、
- 事業として運営しているのか
- 趣味として運営しているのか
によって違ってきます。
所得を伴うブログ運営
『趣味でやっています』と言ったところで、ブログの運営によって、実際に事業規模の所得を得ている場合は、『自ら営利企業を営む場合』として、許可が必要でしょう。
所得を伴わないブログ運営
所得が伴わないのであれば、趣味の範囲を超えません。
少額の所得がある場合
少額の収益がある場合、『自ら営利企業を営む場合』と言えるかどうか明確な基準がありません。
国税庁が定める確定申告が必要な場合
国税庁は、1か所から給与を受けている人(公務員や会社員)が、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が年額20万円を超える場合に、確定申告が必要としています。
所得が20万円以下の場合は、所得税の申告は不要だと言うことです。

- 年20万円以下であれば、『自ら企業を営む』というレベルではない!
※個人の見解です。条件によって(医療費控除で確定申告する場合等)20万円以下でも申告の必要がある場合もあります。
許可申請のタイミング

基本的には、許可基準に至る前に、申請しなければなりません。
「許可」ですから「事前」が原則です。
不動産賃貸業の場合
基準が明確な場合
所属する自治体の規則で、『戸建て5棟以上』などの基準が明確な場合は、基準に従って許可申請するべきです。
基準が不明確な場合
不明確な場合は、念のため、なるべく、早めに許可申請するのがベターです。

- 明確な基準が定められていない場合も多いです。
- 僕は許可をもらっています!
ブログ運営の場合
ブログ運営についての許可基準は、明確なものはありません。
- 趣味の範囲内を超えて
事業として運営するとき
が、許可を受けるタイミングでしょう。
趣味の範囲を超える前には、許可を受けておくべきです。
確定申告が必要かどうかが、ひとつの基準となります。

- 『ブログの世界は、月5千円に到達する人が、全体の5%』
と言われています。
「事業」と言える収益は出ません。 - それ以下のレベルで終わる人がほとんどで、
趣味・楽しみのレベルです。
罰則について
地方公務員法第38条第1項で罰せられるか?
地方公務員法第38条第1項(営利企業等の従事制限)には罰則規程はありません。
したがって、懲役・罰金などの刑法上の刑罰を受けることはありません。
懲戒処分は受けるか
無許可で副業をした場合、懲戒処分を受ける可能性があります。
過去に、懲戒処分を受けた事例もあります。
ただ、他の法令に触れたり、公務員としての信用失墜に至らないような副業なら、免職になることは、考えられません。
副業禁止の趣旨を忘れない!
公務員の副業が禁止されている目的は、公務に影響を及ぼすことを防止するためであり、それが法律の趣旨です。
ですから法律の範囲内だからと言って、公務に影響を及ぼしたり、公務をいい加減にしたりすることは、現に慎まなければなりません。
趣味の範囲内だとしても、公務をおろそかにするのはダメです。
本業を精一杯やった上で、自己啓発に取り組むことが、成功への道です。
まとめ
★公務員の副業禁止規程
- 公務員の副業は原則として地方公務員法違反に該当する
- 副業禁止の法的根拠→35条・38条
★副業が許可される場合の基準
- 副業許可の根拠→38条1項
- 各地方公共団体の許可基準→徳島県の例
★不動産賃貸業・ブログ運営は『副業』にあたるのか
- 不動産賃貸業の場合→基準を超えれば副業に当たる
- ブログ運営の場合→趣味の範囲を超えれば副業に当たる
★許可申請のタイミング
- 不動産賃貸業の場合→基準に従って申請が必要
- ブログ運営の場合→収益が出れば申請が必要

- 最後まで読んでいただいてありがとうございました。
- いつもコメントをありがとうございます!
『面白かった!』のひと言でもうれしいです。
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