薬物犯の刑事さんのやりがいはどんなところ?
女性警察官に人気なの?
都道府県警察ホームページに載っているインタビューは嘘ではありません。でも、公式HPに、ネガティブな記事を載せないのは当然です。
しかも、警察のイメージを良くするような内容のものを、好んで載せるのも当然です。
この記事を最後まで読むと、薬物犯刑事の魅力をたっぷり味わうことができます。一方で、薬物犯刑事のキツイ部分にも触れます。
- 薬物犯刑事がどんな仕事かが詳しく分かる
- 薬物犯刑事の4つやりがいの本音が分かる
- 女性が活躍する姿がイメージできる
まずは薬物犯刑事って何?というところから解説します。
薬物犯刑事の仕事
刑事課の係別 役割り | |
---|---|
強行犯 | 殺人・誘拐・強盗・放火・性犯罪 |
盗犯 | 空き巣・ひったくり・万引き |
知能犯 | 詐欺・横領・汚職 |
組織犯 | 薬物・暴力団・外国人組織 |
薬物犯刑事というのは、違法薬物を取り締まりを担当する刑事のことです。
警察署の係で言うと、組織犯係になります。
ですから、薬物犯刑事と言っても、暴力団や外国人組織犯罪なども担当するんです。
薬物・暴力団・外国人は、密接に関わる犯罪であり、
薬物事件の裏には、ほぼ100%、暴力団組織・外国人犯罪組織が関係しているんです。
つまり、薬物事件を検挙することが、暴力団組織・外国人犯罪組織の壊滅に繋がるということです。
薬物犯罪の種類
薬物犯罪に手を染める人は、大きく分けて次の4つに分類できます。
主な薬物犯罪者の種類 | 主な適用罪名 |
---|---|
薬物中毒者 | 覚醒剤の使用罪・所持罪など |
学生など軽い気持ちで薬物を使用する者 | 最近増えている大麻所持罪など |
薬物の密売で金を稼ぐ者・組織 | 販売目的所持罪・有償譲渡罪など |
薬物の製造・輸入で金を稼ぐ者・組織 | 輸入製造罪・有償譲渡罪など |
最近、増えているのは、大学生などの若い人が、安易に大麻を所持吸引して逮捕される事件です。
本人は、『未成年者がたばこを吸うような感覚』で、大麻に手を出すんです。
大麻を所持していれば、初犯でも逮捕、起訴されて、1回目から刑務所に入る場合もあります。
当然ですが、逮捕されたら大学は退学になり、就職もできず、人生が狂ってしまいます。
挙げ句の果てに犯罪組織に加入してしまうこともあります。
こういったことから若い人を守るのも、薬物刑事の仕事なんです。
薬物犯刑事 やりがい4選
1.逮捕の瞬間の充実感
薬物刑事のおもしろさで、1番は、やはり捕まえたときの興奮・充実感です。
- 獲物を追う感覚
- しっぽを掴んだときの歓喜
- 獲物を捕らえる直前の興奮
- 声かけするときの緊張
何とも表現できない醍醐味です。
あなたが、薬物犯人を追うところを想像してみてください
大麻の製造アジトを突き止めると、集中的に捜査を開始します。
そして、しっぽを掴むことができると、ガサ入れ・・・
現場に踏み込むんです。
妄想は止まりません。
新緑の息吹が感じられる頃、1本の「投げ」があった。
「投げ」とは、情報提供のことである。
〇〇町□□ハイツ106号室は、
電気が灯ったことがないのに、換気扇が回り、時折、嫌な匂いがする。
男性が出入りし、時々荷物を運び出しているよう。
こんな情報を耳にした薬物犯刑事は、すぐに大麻草の栽培アジトだと、ピンと来る。
確認すると、紛れもなく大麻草独特の匂いだ。
電気メーターも回っていて、使用量は多い。
必要な捜査をして、仕入れ先、販売先、共犯者など、あらかじめ把握する。
並行して、張り込み捜査も開始される。
住人は男1名、夜も寝泊まりしている。
訪問者は無い。軽自動車で出かけることがある。
何日もかけて、ハイツの動きを把握する。
我慢の時。
ガサ入れのタイミングを計るためだ。
組織犯係チームが一丸となって、様々な捜査結果を組み立て、一つの成果へ向かう。
様々な状況が整い、しっぽを掴む。
「よし!明日だ!」というチャンスが訪れる。
行くタイミングを決めるのも薬物刑事本人だ。
そこに上下の階級は関係ない。
緊張感が高まる。
タイミングをミスれば、数日間の捜査が台無しになる。
早朝からガサ開始。
直前の何とも言えない張り詰めた緊張感
「今だ!行くぞ!」
捜査員は、あらかじめ決められた段取りどおりに動く。
ハイツ内では、約150株の大麻草が栽培中であった。
被疑者1名を現行犯逮捕。
内偵捜査どおり、販売先などの自供を得て、全容解明に至った。
悪いヤツを捕まえる。
なんともいえない充実感がある。
翌朝、新聞を広げる。
妻が見て、数日間、帰りが遅かった訳を理解してくれる。
刑事にとって、他では味わえない興奮・充実感です。
少しでも、味わっていただけたでしょうか?
こんなアイテムを持っていれば、他の刑事に、差を付けることができます。
『単眼鏡』をカバンに忍ばせておくと、張り込み時に、離れた場所から細かい状況の確認や、車のナンバーチェックなどができ、一目置かれる存在になります。
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2.薬物犯罪者は芋づる式に捕まる
被害者は存在しない
薬物犯罪には、被害者が存在しないと言われています。
薬物を使用する者、売る者、買う者、一緒に使用する者など、すべてが共犯被疑者で、
被害者という人はいません。
被害者がいるとすれば、それは、
- 常習被疑者の家族
- 錯乱状態で他の犯罪被害に遭った方
で、薬物犯罪の純然たる被害者はいません。
時々、常習者の家族から『ウチの息子が、使ってるので捕まえて下さい』などと、
親などから通報が入りますが、ほんとうに稀なケースです。
なぜ芋づる式に捕まるのか
被害者がいなければ、被害届は出ません。
と言うことは、警察は犯罪が起きていることを知ることができません。
なのに、なぜ、薬物被疑者は芋づる式に捕まるのか。
それは、薬物犯罪者は、他人を平気で売るからです。
実際に、全国で、毎年毎年13,000人以上が薬物犯罪で検挙されているんです。
薬物事犯の検挙人員については、警察庁HPのパンフレットをご覧ください。
薬物常習者に、『GIVEの精神』(他人に惜しみなく与える思いやりの心)はありません。
自分さえ良ければ、
- 購入元であろうが、
- 販売先であろうが、
- 一緒に使用する仲間であろうが
お構いなし
自分の立場を少しでも良くしたいと願って(と言っても良くなりませんけど)、他人を売る。
だから薬物の検挙は止まらない。
だから薬物を使用していれば、いつか絶対に捕まるんです。
努力目標はあるが、達成できる
盗犯刑事は、検挙人員・検挙目標の数値目標があって、すごいプレッシャーの中で仕事をしています。
薬物刑事にも、努力目標はありますが、『芋づる式』に捕まりますので、さほど厳しい目標ではありません。
また、目の前の被害者が居ないので、「捕まえなきゃ」というプレッシャーもありません。
プレッシャーが無いというのは、他の係にはない大きなメリットです。
3.被疑者の家族からの感謝
警察採用試験のパンフレットを見ていると、薬物犯刑事のインタビューでは、
『家族からの感謝』を大きく取り上げています。
そりゃあ、「捕まえる瞬間の達成感」とは書きづらいからです。
やはり、「人が喜ぶことが嬉しい」の方が対面的に良く、優等生のインタビューです。
もちろん嘘ではありません。でも、感覚的には、やりがいの3番手というのが現実です。
薬物犯罪だけでは済まない
薬物の常習者はお金がかかります
覚醒剤の末端価格は、1グラム6~7万円と言われています。
1グラムで20~30回分。常習者なら10回分の量です。
常習になればなるほど、1回の使用量は増えますので、お金は倍々ゲームで必要になります。
よく芸能人で薬物常習者が捕まりますが、
芸能人は、お金を持っているので、他の犯罪には走りません。
でも、末端の薬物常習者は、気力も体力も無くなり、仕事もできなくなりますので、常にお金に飢えています。
こうして、窃盗や強盗、振り込め詐欺などに、手を染める訳です。
家族は、たいていの場合は見捨てざるを得ない状態になるんです。
被疑者本人とは関係を作れない
薬物捜査では、被疑者本人から感謝されることは、ほぼあり得ません。
人を売るような者は、感謝するということを知りません。
それでも、家族が感謝してくれることがあります。
薬物常習者の家族の苦悩
薬物常習者は、何度も何度も、犯罪を繰り返します。
1回の刑務所生活が2~3年ですが、またすぐ薬物を使用して逮捕されます。
刑務所に居る期間に比べて、シャバに居る期間の方が短い者も多くいます。
それでも見捨てない家族も、僅かではありますが居ます。
家族の苦悩は計り知れません。
そんな家族からは、感謝されることもあります。
『今度こそ、立ち直ってほしい!』
それが家族の唯一の願いです。
4.社会全体への貢献
若い刑事には、なかなか見いだせない魅力ですが、
ベテラン捜査員になるにつれ、社会への貢献が大きなやりがいになってきます。
薬物犯罪に、純然たる被害者はいません。
でも、回りまわって、被害者は居るんです。
薬物常習者が錯乱して、他の犯罪を犯す場合です。
幻覚や幻聴などによって、こんな犯罪を犯してしまいます。
- 興奮状態で交通事故を起こし、人を轢いてしまう
- 人を刺したり、傷つける行動をとる
- お構いなしに、人の財物を強奪する
これらの犯罪被害者になった方は、間違いなく薬物犯罪の被害者と言えます。
こう言った被害者を出さないという社会全体への奉仕。
薬物犯罪を取り締まる最大の目的は、まさにこの部分です。
そういった、先々で被害者になったかも知れない人は、目には見えません。
誰が被害者になるかも分かりません。
なので、被害者から感謝されることは、ありません。
こういった、見えない被害者に対するGIVEが、ベテラン薬物犯刑事のやりがいとなっています。
でも、薬物常習者を100人逮捕し、社会から隔離することで、
目に見えない被害者の『ひとり』を助けることができると信じています。
ベテランになるにしたがって、こう言った『GIVEの精神』が強くなるのも事実です。
おすすめの本
『GIVEの精神』 を理解するには、この本がおすすめです。
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薬物犯刑事の苦労と悩み
1.不潔
薬物常習者は不潔なヤツが多いんです。
とにかく、自宅にガサに行ったりすると、整理整頓、掃除ができている者はごく少数派です。
少々汚くても、ガサのためには探さなくてはなりません。
また、尿検査も当然する訳ですが、コップの上からとは言え、そんなヤツの尿を扱わなければなりません。
そう言ったことが、生理的に苦手な人は、薬物刑事は避けた方がいいかも知れません。
2.薬物常習者からの逆恨み
薬物常習者は、逮捕の時、正常な状態ではないことも多いんです。
薬物依存なんですから当然ですね。
だから逮捕された時に、
- 誰かにハメられた
- 仲間にハメられた
- 家族にハメられた
- 刑事にハメられた
と思い込んでしまうことが多々あります。
そうなると、逆恨みが始まってしまい、関係修復が困難になってしまいます。
私生活を犠牲にしている捜査員
逆恨みすると、特定の刑事を恨んだまま、刑務所に務めに行ってしまいます。
恨むなら警察全体を恨めばいいんですが、そうは行きません。
2年・3年、刑務所で暮らしたところで、恨みが消えません。
出所時に、逆恨みされた特定の刑事の自宅を調べて、刑事の家族を脅す者もいます。
それを避けるために、一時避難をすることも考えられるでしょう。
もちろん、こんなケースは稀で、もしこのような事態になると、警察全体で、薬物刑事の家族を守ることになるのは当然です。
でも、そんなことになる可能性があるということも、頭の隅に入れておく必要があります。
女性刑事は薬物希望者が多い
あなたは、薬物犯刑事がやってみたいと思いましたか?
実は、薬物犯刑事は、女性警察官があこがれる存在No.1です。
女性の刑事は、薬物係の希望者が多いんです。
逮捕する被疑者も、女性である確率は高いです。
女性で逮捕される被疑者は
- 薬物所持・使用罪
- 窃盗罪
が圧倒的に多いんです。
だから、女性刑事も、薬物係の需要が高く、希望者も多いんです。
薬物担当の女刑事・・・カッコいい人が多いですよ!
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