警察官になるには大学を卒業していた方が良いって本当?
警察官採用試験を目指している人の中には、大学卒で入るべきか、高校卒で入るべきか、悩んでいる人は以外と多いです。
現役の警察官の中にも、
- 高校卒で早く仕事を覚えるべき派
- 大学に行っておくべき派
の両方がいます。現役警察官の声で、どちらが良いのか検証します。
結論は、待遇に変わりはありません。高校卒だから給料や昇任に不利ということはありません。
- 現役警察官で高校卒の人は、『大学で色々な経験をした方が良い』
- 現役警察官で大学卒の人は、『早く警察官になって実務経験を積んだ方が良い』
と言います。
それぞれの言い分を聞いてあなたのなりの結論を出してみてください。
- 現役警察官の高校卒・大学卒、それぞれの言い分がわかる
- 高校卒・大学卒、それぞれのメリット・デメリットがわかる
- それぞれのメリットがわかると、自分の道をイメージできる
高校卒・大学卒の現役警察官の言い分
まずは双方の言い分を見てみましょう!
大学卒の言い分
- 大学に行く明確な目的がないのなら、早く警察官になるべき。
- 大学の学費をかけるぐらいなら、早く働いた方が良い。
- 4年間の実務経験は、確実に力になり、個々の実力となる。その差は大きい。
- 高校の同級生で先に警察官になった友達が、一生、先輩というのが悔しい。
高校卒の言い分
- 大学に行く目的が明確でなくても、大学生という時間を過ごせたことに意味がある。
- 大学生として社会経験は、学費では計り知れないものがある。
- 4年の実務経験なんて、やる気次第でいつでも追い越すことができる
- 年齢を重ねるほどに、先輩後輩の差はなくなる。
給料・年収は高卒・大卒のどちらが有利か
公務員の基本給は、都道府県条例によって決まっています。
また初任給は、年齢や職務経験によって決まります。
例えば神奈川県警の初任給です。
- 大卒の初任給は26万3,000円
- 高卒の初任給は22万9,000円
>> 神奈川県警採用案内2024年9月現在 はこちら
警察学校を卒業すると、様々な手当ても支給され、係によって額も変わります。
初任給や1年後の給与の中身については、こちらの記事で解説しました。
>>公式HP記載の 初任給~1年後給料 は本当に貰えるのか?
1年後の給与という見方ではなく、同じ年齢の警察官の給与はどうでしょう。
- 大卒 4年目で26歳の警察官
- 高卒 8年目で26歳の警察官
の同い年の警察官を比較すると、給料は、ほぼ同じです。
警察官としての経験よりも、年齢が優先されると考えて良いでしょう。
年功序列です。
- 高卒ですぐ警察官になるのか
- 大学に行ってから警察官になるのか
について、基本給の水準からみた条件は 引き分けです。
よく『高校卒の方が生涯賃金が高い』という記事を目にします。
確かに、生涯獲得賃金は、計算上高いです。
でもこれは、単に勤続年数が長いからです。
65歳で定年を迎えるとして、18歳で警察官になれば勤続47年、22歳で警察官になれば勤続43年で定年を迎えます。
4年長く働いている訳ですから、生涯賃金が高いのはあたり前で、高校卒の方が稼げるということではありません。
昇任は高卒・大卒のどちらが早いのか
🔷昇任試験を受けるために必要な実務経験年数
高校卒 | 大学卒 | |
---|---|---|
巡査部長受験資格 | 実務4年6月 | 実務2年6月 |
警部補 受験資格 | 実務4年 | 実務2年 |
警部 受験資格 | 実務4年 | 実務4年 |
昇任試験の受験資格と最短昇任年齢
昇任試験を受けるためには、元の階級での実務経験年数が必要になります。
都道府県によって、多少の違いはありますが、ほぼ同じです。
18歳で警察学校に10ヵ月間入った後、実務に入ります。
巡査部長受験資格として、巡査の実務経験が4年6ヵ月必要なので、初めて昇任試験を受験するのは23歳の頃です。
試験に合格し、実際に昇任するのは翌年になりますので、巡査部長に昇任するのは最短で24歳です。
必要な実務経験は短縮されますので、22歳で警察学校に6ヵ月間入り、巡査部長受験資格が、実務経験2年6ヵ月必要で、受験が25歳の頃です。
巡査部長に昇任するのは最短で26歳になります。
つまり、高校卒の方が、巡査部長には若くして昇任できるんです。
巡査部長には若いうちに早く昇任した方が良い理由について、こちらで解説しました。
>> 早く巡査部長に昇任するべき6つの理由
警部の昇任はどちらが早いのか
警部補試験や警部試験も同じように、元の階級に昇任してからの実務経験が必要になります。
警部補試験は、高校卒が実務4年、大学卒が実務2年です。
警部試験になると、高校卒も大学卒も、実務4年が必要になります。
この様に、高校卒・大学卒の、それぞれの最短で昇任できる年齢を比較すると、
- 警部補は29歳
- 警部は34歳
高卒も大卒も、最終的には同じ年齢になるんです。
つまり、どちらが有利ということはなく、昇任の条件は 引き分けですね。
同い年の大学卒はずっと後輩?
高校で同級生だった親友同士。
- 一方は大学に行ってから警察官になり
- 一方は高校卒でそのまま警察官になった
この場合、当然、高校卒の人が4年先輩になり、大学卒の人は永久に後輩です。
大学卒の人の中には、『ずっと後輩なのが悔しい』という意味は、ここにあります。
しかし、これも30歳を過ぎれば、大差がなくなります。
24歳の時点では、経験年数が6年か2年かで、かなり違いますが、40歳にもなると、経験年数は22年と18年ですので、先輩後輩と言っても、あまり変わりません。
学閥はない
都道府県警察によるかも知れませんが、どこの大学を出たとか、学閥はほとんどありません。
実際に、警視正クラスまで上り詰める人の中には、高校卒の人も、大学卒の人もいます。
まさに実力の社会です。
さてみなさん!いかがでしょうか?
大学卒も高校卒も、条件は変わらないということが分かりましたでしょうか。
結論は、『なりたいと思ったときが、ベストなタイミング』です。
今、警察官になりたいと考えているあなた!
自分を信じて、警察官を目指してみましょう!
警察官の様々な仕事の種類・やりがいは、こちらで解説しました。
>>警察官の仕事の種類8部門とやりがい
警察学校の必需品や選び方については、こちらをご覧ください。
>>【警察学校の持ち物】揃えるモノの選び方ポイント!おすすめグッズ
最後まで読んでくれてありがとうございます!
ご感想、ご質問をLINE無料相談へ書き込んでもらえると嬉しいです。