警察官の給料がどれくらいか、公式HPを見てもわかりにくいです。
実際の給料の額や、住まい・待遇のリアルは本音を教えて!
各都道府県警察のホームページに載っている
- 初任給
- 階級別の役職
- 人事異動
は基本的なことしか書いていませんよね。
- 給料の手当は実際にどれくらいもらえるのか
- 階級ってどんな役職になるのかなのか
- 人事異動の周期はどれくらいか
など本音で説明します。
警察官採用資料を見ると、
- 初任給
- 1年後給料
が別々に記載されています。
どの都道府県警察も、1年後には、給料がすごく増えています。
実は、警察学校を卒業して警察署勤務になると、いろいろな手当てが支給されるから、給料は増えます。
どんな手当てが支給されるのかをお伝えします。
- 給料のリアルがわかる
- 階級ごとにどんな役職かがわかる
- 人事異動・住まいなど「警察とは?」がまとめてわかる
警察官の給料・年収のリアル
警察官の初任給
平均的な規模の滋賀県警を例にしますと、警察官の大学卒者の初任給の給与月額は、24.9万円です。
採用1年後の給与月額は33.4万円です。
採用1年後の給与は、交番勤務での、超過勤務手当・特殊勤務手当などの諸手当を含んだ金額ですが、他の公務員と比較して、かなり高額になっています。
初任給の 給与月額 | 採用1年後 の給与月額 | 採用1年後の 期末・勤勉手当 | |
---|---|---|---|
大学卒 | 24.9万円 | 33.4万円 | 113.9万円 |
短大卒 | 23.3万円 | 31.6万円 | 107.7万円 |
高校卒 | 21.7万円 | 29.5万円 | 100.2万円 |
警察官の平均給与
総務省が発表している令和2年地方公務員給与実態調査によると、警察官の平均給与はこんな感じです。
平均年齢 | 38.8歳 |
平均給料月額・・・① | 325,987円 |
平均手当月額・・・② | 139,692円 |
平均給与月額・・・③ | 465,679円 |
給料と給与の違いは、
給料① + 各種手当② = 給与③ です。
つまり、③平均給与月額は、手当などを足した総額ということで、警察官の平均年齢38.8歳で貰っている月給の平均が、46.5万円ということです。
これを元に年収を計算すると、警察官の平均年齢38.8歳での平均年収は、約703万円になります。
警察官の初任給と採用1年後の給与については以下の記事で詳しく解説しました。
≫公式HP記載の初任給~1年後給料 は本当に貰えるのか?
刑事の年収
警察官全体の給与は公表されていますが、職種別には公表データがありません。交番の警察官に比べて、休日勤務手当が少なくなりますが、超過勤務手当や特殊勤務手当が多くなります。
トータルで、肌感覚としては、平均的な警察官よりも、月2万、年24万ほど多めといったところでしょうか。もちろん、大きな事件が発生した場合など、超過勤務が多くなり、手当もグーンと増えます。
刑事のやりがいについてはこちらをご覧ください。
≫刑事の魅力・やりがい5選
警察官の階級・役職・年収
すぐに階級別の年収を見たい方はこちらからJUMP⤴
階級の種類
警察官の階級は、警察法第62条により、9種類が定められています。
(警察官の階級)
第六十二条 警察官(長官を除く。)の階級は、警視総監、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長及び巡査とする。
- 巡査
- 巡査部長
- 警部補
- 警部
- 警視
- 警視正
- 警視長
- 警視監
- 警視総監
警察法には定められていませんが、事実上の階級として、巡査の上に、巡査長があります。
警察官の階級章
警視監 | 警視長 | 警視正 |
警視 | 警部 | 警部補 |
巡査部長 | 巡査長 | 巡査 |
階級ごとの警察署における役職
警察署 交番 | 警察署 刑事課 | 人数の割合 | |
---|---|---|---|
巡査・ 巡査長 | 交番ペアの部下係員 | 裏付け捜査 簡単な事件の取調べ | 38% |
巡査部長 | 交番ペアの上司 | 事件の取調べ(主力) | 27% |
警部補 | 交番所長 | 日常的な事件捜査の主任官 強行犯係長など | 22% |
警部 | 地域課長 | 大きな事件捜査の主任官 刑事課長 | 9% |
巡査・巡査長
巡査と巡査長は役職上の違いはありません。
両者とも役職は係員です。
- 係員のうち、採用後間もない人が巡査
- 採用後3~4年以上になると巡査長になります。
巡査部長
巡査部長は、交番で言うとペア長、警察署の刑事だと主力事件の取調官といった立場です。
数人で活動するうえでの班長なんです。
警部補
警部補になると、交番のハコ長(交番で最上)警察署刑事だと各係(強行犯係・盗犯係など)の係長です
警部
警部になると警察署の各課の課長になります。
- 地域課長
- 刑事課長
- 生活安全課長
- 交通課長
- 警備課長 など
警視・警視正
警視・警視正は、全体の4%以下、つまり100人中4人以下しか居ない幹部です。
役職について、警察署と警察本部に分けて表にまとめました。
警察署 | 都道府県警察本部 | |
---|---|---|
警視 | 中小規模警察署の課長 副署長 小規模警察署の署長 | 調査官・管理官 課長 |
警視正 | 大規模警察署の署長 | 中小規模警察本部の部長 |
警察は、学歴に囚われず、実力しだいでキャリアアップできる組織です。
高卒採用の警察官でも、警視正まで出世している人はたくさん居ます。
高卒採用と大卒採用はどちらが有利なのかは、こちらで詳しく解説しました。
≫警察官 になるには 高卒・大卒どちらが有利か?
警視長以上
警視長以上の階級になるためには、キャリア官僚(警察庁採用)でないと、ほぼ無理です。
警視長 | 中小規模警察本部長 |
警視監 | 大規模警察本部長 |
警視総監 | 警視庁(東京都)のトップ |
警察庁長官 | 警察庁(国)のトップ |
階級別の年収・給料~巡査部長でいくら貰える?
階級別の平均給与月額(ボーナスを含まない)は、神奈川県警が公開しています。
階級別に集計した平均年収データは、どの都道府県も公開していません。
肌感覚での年収イメージを表に入れておきました!
階級 | 役職 | 平均年齢 | 平均給与月額 | 年収イメージ |
---|---|---|---|---|
巡査 | 係員 | 24.6歳 | 219,000円 | 400万 |
巡査長 | 先輩係員 | 33.0歳 | 278,000円 | 500万 |
巡査部長 | ペア長 | 39.9歳 | 339,000円 | 600万 |
警部補 | 係長 | 45.9歳 | 396,000円 | 700万 |
警部 | 署の課長など | 50.6歳 | 443,000円 | 800万 |
警視 | 副署長など | 52.1歳 | 469,000円 | 900万 |
警視 | 署長など | 54.4歳 | 494,000円 | 950万 |
警察官の仕事・人事異動・住まい・仕事のやりがい
警察官の仕事とは?
警察官の仕事とは?
(警察の責務)
警察法第2条第1項警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。
警察の責務(警察官がやるべき仕事)は、警察法第2条第1項に明確に定められています。
警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、公共の安全と秩序の維持に当たることをその責務とします。
それを遂行するために必要な犯罪の予防・鎮圧・捜査、交通取締り等の執行事務を実施する役割を担っています。
人事異動
異動時期
定期の人事異動は、大規模都道府県であれば春と秋の年2回、中小規模府県であれば春の年1回です。
それ以外に、警察学校の卒業など、必要な場合に、限られた人数での人事異動は、その都度あります。
異動の規模・周期
その年によりますが、全体の10~40%が異動により転勤します。巡査から警部補までは、通常2~5年周期で、転勤します。警部以上の人は、通常2年周期で転勤します。
配属先は警察本部?警察署?
警察本部勤務と警察署勤務の警察官比率は、警察本部がおおむね33%です。警察本部というと、本部庁舎で事務をしているイメージだと思います。
実際には、警察本部所属の捜査員が、警察署に出向いて捜査をしたり、交通機動隊・機動捜査隊のような執行隊勤務の警察本部員が、現場で活躍しています。
都道府県外への出向・派遣
特別な場合ですが、採用された都道府県警察以外に人事異動になることもあります。
- 警察庁(東京)
- 各管区警察局(東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州の各主要都市)
- 災害発生に伴う出向・派遣(最近では東北3県など)
- 捜査に伴う出向・派遣(大規模都道府県など)
警察官の住まい
- 寮
- 官舎・公舎(単身者用)
- 官舎・公舎(家族世帯用)
- 賃貸ハイツ
- 分譲マンション・戸建住宅
警察官に採用されると、まずは警察学校で学びますが、全員寮に入ります。
配偶者がいたとしても例外なく寮生活をしながら学びます。
警察学校を卒業すると、寮に入る場合の他、官舎・公舎に入る場合、賃貸ハイツなどから通勤する場合など、様々です。
都道府県の規模によって、寮や官舎の設備事情が異なります。
小規模府県なら、警察署の寮を完備するのが困難なので、賃貸住宅や自宅通勤も多いです。
警察官の住まい事情については、こちらで詳しく解説しました。
≫警察官は異動のたびに引っ越しするのか/官舎に住まされる?
警察はブラック企業なのか
有給休暇
2018年時点での、全国警察官の年次休暇 取得日数は、8~16日です。
案外、取れています。
超過勤務
超過勤務については、警察署の刑事課、生活安全課などの専務員は、どうしても多いです。
ひと昔まえに比べると、かなり改善しつつありますが、まだまだブラック企業と言えるかも知れません。
サービス残業も、まだ少し残っています。
パワハラ
警察は厳しいというイメージが強いです。
昔人間のパワハラ上司は、まだ生息しているのは確かですが、これもひと昔前に比べると、改善されています。
社員を使い捨て
一部のブラック企業ではある様ですが、これは公務員社会ですから、警察にはありません。
警察組織はブラック企業なのかについては以下の記事で詳しく検証しました。ブラック企業の6つの特徴などについて、こちらを参考にしてください。
警察はブラック企業なのかについては以下の記事で詳しく解説しました。
警察官の仕事のやりがい
警察組織は、主に8つの部門に整理されます。
- ①警察学校
- ②地域部
- ③刑事部
- ④生活安全部
- ⑤交通部
- ⑥警備部
- ⑦警務部
- ⑧各警察署
東京・神奈川・大阪など大きな都道府県では、別に、総務部、組織犯罪対策部、公安部などがありますが、この8種類を基本に整理すると分かりやすいです。
警察官のやりがい・魅力については、各部門たくさんあります。
その中でも代表的なやりがいを感じた瞬間は、こんな感じです。
- 地域のお年寄りなどに寄り添い、安心してもらえたとき
- 事件に関わった少年の更生するお手伝い
- 難しい事件を解決し、被害者に喜んでもらったとき
- 苦労の末に、凶悪犯人を逮捕したとき
- 交通安全教室を通して子供たちに安全を学んでもらえたとき
- 災害警備に際し、地域の方のお役に立てたとき
それぞれの部門に、様々なやりがい・魅力があります。
採用後に、どの道に進むかは、あなた次第です。
警察学校の必需品や選び方については、こちらで解説しました。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
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