論文のまとめ方・書き方って難しい!
点数って、どんなふうに付けるんだろう?
本論以外が大切って聞くけど、何を書くの?
昇任試験論文の書き方、まとめ方がわからないと悩んでる若い世代の警察官はたくさんいます。
実は、論文の配点基準・採点方法を詳しく知っている人は、ほとんどいません。どんな論文を書けば点数が取れるのかを知るためには、配点基準と採点方法を知ることが近道です。
昇任試験の採点を経験した筆者が、採点の方法を教えます!
あなたは、ルールを知らずにサッカーをやってるようなもの。ルールを知らなければ勝てるはずがありません。
点数を取るためのルール(配点基準・採点方法)をマスターし、本論以外の部分が大切だということを理解してください。
本論以外の部分が大切な理由は、現状・現在の問題点・重要性・今後すべき課題・決意などで、配点の半分を占めるからです。
配点基準や採点方法など、3ステップで詳しく解説していますので、勉強する前に、ぜひ最後まで読んでください。
- 配点基準・採点方法のルールがわかる
- ルールを知れば、本論以外が大切な理由がわかる
- 点数の取り方がわかると、勉強がおもしろく合格が見えてくる
法学の勉強に、このシリーズはわかりやすいです!
他に刑法・警職法もあります。
【前提】ライバルの論文試験 点数を知る
3ステップに入る前に、まずライバルの点数を知ることで、
- 合格ラインは何点なのか?
- 自分は何点を目指せば良いのか?
を知ることができます。
まずはライバルの点数を見てみましょう。
科目ごとの点数
1科目につき50点満点という都道府県が多いと思いますので、この記事は50点満点として書いていきます。
出題される問題の配点は、様々です。
- 論文1問40点 + 簡記1問10点
- 論文1問35点 + 簡記1問15点
- 論文1問30点 + 簡記2問各10点
この記事では、
- 論文1問40点 + 簡記1問10点
を基準として、書いていきます。
他の出題傾向だとしても、考え方は同じです。
論文40点問題の場合
論文問題40点の採点をすると、点数分布は20点~35点の間に集中します。
もちろん35点以上や20点以下の人もいます。
- 0点~35点の人
この問題は、合格ライン内 - 25点~30点の人
1点2点の差が合否を分ける - 20点~25点の人
この問題は、ちょっと足りない
答案で一番多くの人が分布しているのが、25点~30点です。
そう考えると、
- 25点なのか
- 30点なのか
で大違いというのが分かると思います。
1点、2点の差が合否を決めるんです。
論文問題は、30点以上を目標に勉強しましょう。
ではこの記事の本論である3つのステップに進みます!
ステップはこの3つ
- 配点基準を知る
- 採点方法を知る
- 答案ボリュームをイメージする
ステップ1 配点基準を知る
ここだけの話
採点官には、模範解答が示されて、
各項目ごとに配点基準が決まっています。
- この項目の満点は〇〇点
と決まっているので、その項目に関する記載がなければ、その項目に点数は付けられないのです。
つまり、その項目は0点です。
こういった配点を知ることが、答案づくりの基本になります。
配点基準の例
答案を採点するときの配点の基準の例について見てみましょう。
警察署主任(係長)として高齢者の交通事故防止方策について述べよ
配点(40点満点)
- はじめに~3点
- 現状・問題点~7点
- 重要性・必要性~7点
- 本論~20点
- おわりに~3点
たいていはこんな配点です。
驚きましたか?
本論は全体の半分の点数です。
つまり、本論しか書いていない場合、素晴らしい答案だとしても、21点以上は貰えません。
逆に、本論があまり書けなくても、問題の現状・重要性などが理解できていれば、20点以上が取れるということです。
いくら本論だけを勉強していても、点数は伸びないと言うことです。
これは
いくら仕事の成果を上げたとしても、その現状や意味、効果が分からないようではダメということです。
自転車安全運転5則について簡記せよ
配点(40点満点)
- 現状・重要性→3点
- 本論→5点
- 今後なすべきこと→2点
簡記問題でも、自転車安全運転5則のことをビッシリ書いても、点数は半分しか取れません。
- なぜ今その問題が出題されたのか
- 幹部として何をしてほしいのか
が重要なんです。
項目別、書くべき内容・考え方
書く内容を参考書で覚えることも大切ですが、
なぜその項目を書くべきなのかという考え方がとても大切です。
先ほどの高齢者交通事故防止方策を例に、説明します。
配点(40点満点)
- はじめに~3点
- 現状・問題点~7点
- 重要性・必要性~7点
- 本論~20点
- おわりに~3点
はじめに~3点
各県の全体的な交通事故発生状況などを書き、最後に「中でも高齢者交通事故は増加の一途をたどっている」などと締めくくり、次の項目である高齢者交通事故の現状へと繋げる。
現状・問題点→7点
- 高齢者交通事故の現状
- 高齢者の交通事故についての問題点
を書く。
重要性→7点
- 高齢者交通事故対策なしには総量抑制できない
- 高齢化社会において、安心安全を確保するために重要
など、対策を講じるのが喫緊の課題であり、この対策が他の課題よりも重要であることを書く。
本論→20点
高齢者交通事故対策としてするべき方策(本論)を書く。
おわりに→3点
本論では、対策(すべきこと)を書きました。
ここでは、私を昇任させると組織にとってプラスであるというアピールを書く。
また、本論で書きわすれて、書く余白がない場合でも、ここに書くと、点数を拾ってもらえます。
ただし、この場合の点数は、本論の20点の中に含まれるので、それだけでは「おわりに」の3点は貰えません。
「はじめに」「おわりに」の書き方については、こちらに詳しく書いています。
ステップ2 採点方法を知る
採点官が、どのようにして点数を付けていくのか?
これを知らなければ、点数が取れる答案は作れません。
点数が付くルールを知らなければダメということです。
でも案外、知らない人が多いです。
項目ごとに点数を付ける
本論の点数
本論が20点満点ですが、更に分割して配点されています。
配点(20点満点)
- 指導取締り~3点
- 高齢者交通安全教育~3点
- 子どもを含めた交通安全教育~2点
- ボランティア団体等への働きかけ~3点
- 他機関に対する働きかけ~3点
- 広報活動~3点
- 部内の連携~3点
いかかでしょうか?
これで20点満点です。
僕が作った答案には、
・指導取締り
・高齢者交通安全教育
・部内の連携
の3項目しか入っていませんでした。
3項目しか書けていなければ、深く良い内容だとしても、20分の9点にしかなりません。
つまり半分も貰えません。
- 7項目のうち3項目しか書いていなければ、いくら詳しく書けていても9点しかもらえません。
- つまり広く浅く、全体を網羅することが大切です。
- 深く、詳しく書く必要はありません!
何を書くのか
(1)指導取締り
→交通事故素因者である市民に対する活動を書く
※この項目だけ、答案の記載例を書いておきます。
答案の記載例
(1) 指導取締りの徹底
交通事故素因者である高齢者に対して、1点目は、高齢運転者が加害者となる信号無視・一旦停止・シートベルト等の違反取締り、2点目は、高齢者が被害となる歩行者妨害、住宅地におけるスピード違反、悪質な飲酒・無免許運転等の取締りを強化する。
(2)高齢者交通安全教育
事故素因者になり得る高齢者に対する安全教育活動を書く
(3)子どもを含めた交通安全教育
将来の事故素因者になり得る子ども等に対する安全教育活動を書く
(4)ボランティア団体等への働きかけ
パートナーとしての市民団体に対する活動を書く
(5)他機関に対する働きかけ
パートナーとしての市町村等に対する活動を書く
(6)広報活動
広く市民に対する活動を書く
(7)部内の連携
警察部内における活動を書く
なるほど!
答案例のように、項目だけ覚えておけば、内容は書けそうです。
そうなんです。一字一句、覚えるような勉強方法では、試験が終われば忘れてしまいます。
項目だけ覚えて、内容は理解するようにするのが大切です。
項目を立てて書く意味
点数の付け方
先ほどの
- (1)指導取締りの徹底
を例に、説明します。
答案の記載例
(1) 指導取締りの徹底
交通事故素因者である高齢者に対して、1点目は、高齢運転者が加害者となる信号無視・一旦停止・シートベルト等の違反取締り、2点目は、高齢者が被害となる歩行者妨害、住宅地におけるスピード違反、悪質な飲酒・無免許運転等の取締りを強化する。
項目を含めて4行の内容が書かれています。
(※ スマホだと8行位ですが、答案に手書きで4行程度です。)
この内容を採点官が読んで、点数を付けていきます。
- 良く書けていたら3点
- まあまあ書けていたら2点
- 少しでも書けていたら1点
もちろん、項目も、何も書けていなければ、0点です。
この積み重ねで、40点満点の点数が付きます。
採点官の気持ちになる
なぜ項目を立てるのでしょうか?
採点官の気持ちになると、簡単に分かります
あなたが採点官だとして、大量の答案を短期間に採点する場面を想像してみて下さい。
あなたも人間です。隅々まで綿密に読むのは大変です。
であれば、
- キーワードが探しやすい答案
を書くことが、点数を取る秘訣だと分かるでしょう。
延々と文章を書いてある答案は、書いてあるポイントを見つけにくいものです。
だからこそ、なるべく項目を立てて、
見やすく、読みやすい答案を作るのがポイントなんです。
ステップ3 答案のボリューム(量)をイメージする
ここまで読んだ方は、もう点数が取れる答案のイメージが湧きましたか?
でもあと一歩。
試験が始まり、すぐに答案のイメージができる様に、練習が必要です。
答案のボリューム(量)をイメージする
答案用紙1枚が30行だとすると、書くスピードにもよりますが、多くて3枚~3枚半が限度です。
それ以上書いている人は、ただ書いているだけで、良い論文にはなりません。
- 論文問題40点が、60~70行程度
- 簡記問題10点が、15~25行程度
といったイメージを持ってください。
論文問題が60行と言うことは
- はじめに 5行
- 現状・問題点 10行
- 重要性・必要性 10行
- 本論 30行
- おわりに 5行
というイメージです。
お気づきと思いますが、本論は、たった30行程度(1枚程度)です。
逆にそれ以外の現状・背景などを30行程度、書く必要があります。
本論30行に、7項目書こうと思えば、1項目あたり4行程度です。
もちろん項目で1行を使いますから、中身は3行です。
つまり、1項目あたりの説明は、3行以上は不要ということです。
まとまった答案を作るためには、答案のボリュームをイメージすることが非常に大切なんです。
※ 35点・15点という配点なら、それに応じてボリュームも変わってきます。
試験会場で答案の全体イメージを描く
さて、いよいよ試験当日の話です。
あなたが着席し、試験が始まりました。
まずは問題を良く読んで、
何を問われている問題かを理解してください。
すぐに書き始めてはダメです。
- 出題の意図
- その問題が出題された背景
- 今の現状
などを考えることで、
- はじめに
- 現状・問題点
- 重要性・必要性
- 本論
- おわりに
に何を書くのかをイメージして、
その項目を、余白などにメモします。
答案全体のイメージが出来上がってから、書き始めることが大切です。
全体をイメージせずに書き出すと、書く項目を飛ばしてしまい、書き忘れてしまうからです。
この作業に、10分くらい使うつもりで、じっくり考えましょう。
僕もーやんは、こんな配分でやっていました。
- 項目立ての全体イメージづくり 10分
- 論文問題 30分
- 簡記問題 15分
- 見直し 5分
よく、すぐに書き始めるな!と言われるのは、このためです。項目を立て、全体のイメージが出来たら、あとは書いていくだけ!
点数が取れる答案の完成です!これであなたも答案マスター!
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まとめ
では最後に、警察昇任試験 論文の点数を取るための書き方や、採点基準についてまとめます。
【結論】点数を取るための論文の書き方
- 背景・現状・重要性などの本論以外をしっかり書く
本論だけを完璧に書いても点数は半分 - 項目を多く立ててキーワードが拾いやすい論文を書く
広く浅くが、点数を重ねるコツ - 書き出す前に、論文全体をイメージする
骨組みをしっかり決めて、書き忘れを防止
解説3ステップの要点
★前提 ライバルの点数を知る
- これを知れば、その問題で何点取れば合格できるかが分かる
★ステップ1 配点を知る
- 配点例
これを知れば、本論以外が重要だと分かる - 項目別、書くべき内容・考え方
考え方を知ることで、どんな問題にも対応できるようになる
★ステップ2 採点方法を知る
- 採点方法を知ることで、何を書けば点数が取れるかが分かる
★ステップ3 答案のボリュームをイメージする
- ボリュームをイメージすることで、答案の全体構想ができ、書き忘れがなくなる。
イメージが湧いてきました!
さあ!
あなたも論文答案を作ることが得意と感じるでしょう!
合格を祈っています。
巡査部長に20歳代で昇任すべき理由はこちらから!
最後まで読んでくれてありがとうございます!
ご感想、ご質問をLINE無料相談へ書き込んでもらえると嬉しいです。